乳幼児期は、人間の一生のうちで最も成長し発達する時期です。

例えると、はいはいから始まり、つかまり立ち、そして歩けるようになるまで、個人の差はありますが、概ね、15ヶ月で二足歩行ができるようになります。これは保育者の援助によるものではありません。自ら育つものです。

大正から昭和初期に活躍した児童心理学者で日本のフレーベルとも言われる倉橋惣三が、「自ら育つものを育たせようとする心、それが育ての心である。」と保育者に説いているように、子どもの自発性、本能ともいえる行動を大切にすることが当園の活動の指針になります。

水たまりを見つけては、「バシャ、バシャ」。
あそぶ姿は、いつの時代であっても変わりません。

あそびを通じて新しいモノを発見し、考えること、失敗を学ぶこと、あきらめずにやり抜くといった非認知能力と五感を通じて感じたことや気づきの力は、AIやIoTが進むスマート社会の中でも必要とされるものです。「感性」や「発想」の力が培われるのも幼児期の多様なあそびからといわれています。

多様なあそびの環境のなかでは、ひとり一人の個性も光ってきます。例えば、高さのある遊具のぼりを「やってみたい」と挑戦する子「やりたくない」といって挑戦をやめる子、決めるのはその子自身で判断は「勇気」です。

みんな違っていい。思うとおりにはならないことから、耐える力が培われます。

私たちは、子どもが自ら育つものを育たせようとする心を大切に、目の前の育ちにとらわれず、数年、数十年後に大輪を咲かせる根っこをそだてるために、幼児期の「あそび」と向き合いたいと思います。

学校法人美瑛青葉学園
理事長 佐藤 正浩